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D's Talkin' about BB
“Surfin' Safari / Surfin' USA”
BBsafari

【Surfin' Safari】

62年 US Capitol 発売_ファーストLP

BBsurfinUSA

【Surfin' USA

63_セカンドLP

記念すべきファーストアルバム【Surfin' Safari】、続く【Surfin' USA】。ビーチボーイズ・マイルストーンの2枚とは認識あれど…どうもワタシ個人的には乗らない…正直ほぼ〝パス〟してきた。ブライアンらしさは「まだまだ」だしねぇ。

 

まずはファースト。すべてデニスのドラムなのだろうか、スネアを叩いているだけのよう…タムや、シンバルすらほとんどないし。全体の音もチープ。

ブライアン=ゲーリー・アッシャーで大半を書いてほとんどをマイクが歌う。他者ボーカルといえば最初に登場がデニスだったか、《little miss america》。ブライアンの初ボーカルが《カッコー時計》、ビーチボーイズでの初ファルセットが〝♪クック〜、クック〜〟だもんなあ。この曲と《the shift》の2曲は、ワタシが最初に買ったアナログ=70年代のUSキャピトル・リイシューではオミットされていた記憶。(この時のキャピトルはセコかった_各アルバムから2曲をオミットして、それらをまとめた編集盤を出した。つまり1枚分の水増しをしていたのだ)

 

《county fair》《chug-a-lug》《カッコー時計》でハモンドが聴けるけれどこれはどう? ブライアンが弾いている? どうも違う気がするね。キレがあって〝プロ〟の演奏と思う。そういえば初期アルバムではカールのホットな〝surfin' & hot rod〟guitar play が聴き物とされることが多かったが、わたしゃここもちょいと眉に唾をつけたくなる。

たとえばこのアルバムでの名演奏はカヴァー曲《moon dawg》だが、リヴァーブかかりまくりの冴えたリードギター、これも〝プロ〟じゃないか (Billy Strange?) ? カール、当時弱冠16才ですよ。それも初のプロフェッショナル・レコーディング。即この〝域〟にいけたと思えないんだけど。《the shift》はカールと思う。

 

このご時世に訳知り顔で trivia を書いても虚しいですナ、世界中のコアフリークがサイトで重箱の角まで突きまくりのネタをいくらでも紹介しているから。ひと昔前には…やれ《little miss america》はハーブ・アルパートが書いた曲でオリジナルはダンテ&エヴァグリーンズだとか、《moon dawg》のオリジナルはギャンブラーズ、そこでピアノを弾くのがブルース・ジョンストンとか…そんなネタを仕込んで得意になっていたもの。ただひとつだけ面白いのはその《moon dawg》で、The Gamblers シングルのプロデュースもこのBB盤と同じく Nick Venet 。曲半ばでの howling はどちらのテイクでもそのヴェネットという説あり。いやBBでのそれはマイク・ラヴという説もあるが…。

 

このアルバムはブライアン・ウィルソンにとってどういう盤であったか…と考える。ただ「プロになれたことが嬉しかった」盤…は間違いないな。それ以上でも以下でもない盤。とはいえ《surfin' safari》は Western Studio recording _ Chuck Blitz engineering というではないか。ブライアン・クリエイティビティの萌芽がすでに見えていたか。

《409》がベストテイク。個人的にはこの曲のみのアルバム。

 

 

つづいて【Surfin' USA】。

これも〝パス〟盤と書いたが今聴くとファーストよりもぐっと力強いゾ。

まずなにより〝ステレオ化〟。トップに据えた《surfin' USA》とそのシングルB面曲《shut down》の力強さよ。なにがイイといってマイクのヴォーカルのダブルトラック。これが左右セパレートでの広がりの良さ、そして当然声量ダブルなので勢いが増す。が、気になることも。それは、バックトラックはレッキングクルーであろうから素晴らしいのだがそれゆえに逆にヴォーカルの「乗せ」感が強まっている。バックに対して歌(リード&コーラス)がワンクッション空いたところに乗っけられたように感じるのはワタシだけだろうか。

たとえば次曲《farmer's daughter》、前曲と比べるに何ともショボいバックトラック。だが歌とのバランス…これはこれでよい。なかなかに録音という物もむつかしいモノよ。

 

US Rhino Box【Cowabunga!】によれば《surfin' USA》はレイ・ポールマン&ハル・ブレインのリズム隊。リードギターはカールとある。これもなあ…キャロル・ケイは自身の〝ギターCD〟ライナーで、この曲で「ギターを弾いている」と書いている。

《stoked》《surf jam》の演奏はBB自身と思う、ギター=カールで(なぜといって若干のタイムのズレあり。ガレージパンクっぽいというか、ようするに素人臭い)。しかし《misirlou》あたりも怪しい。

 

バーズのデビュー盤でシングル曲《mr. tambourine man》はレッキング・クルーにバックをやらせて他曲はメンバー演奏であったことと同様か、このアルバムでのシングル用トラックはクルーによるキレあるバックトラックという事で、これはキャピトルがなにを置いてもシングル・ヒットが欲しかった証しだろう。アルバム自体もサーフィン・ブームの先頭をきって「売れ線」に乗せたいという欲がみてとれる。ここでも正直いえば《surfin' USA》、チャック・ベリーとフォー・フレッシュメンの融合という新機軸を認めながらも何度も聴きたい曲ではない。

 

ゲイリー・アッシャーは早くもお役御免? 《lonely sea》の共作のみか。この曲、メランコリック・サイド・オブ・ブライアンの初出…個人的には「買い」の1曲。共作といえば《shut down》でロジャー〝hot rod〟クリスチャンとの初共作だね。

《noble surfer》の間奏は何の音_ スレイベル? ここらがブライアンらしい奔放な楽器選択の始まりか。

《lana》はブライアン・ファルセットで通した初めての曲になるか。

 

 

 

「サーフィン」という、ほぼトータル・アルバムとしての最初期2枚のアルバムは、出来はファーストよりもセカンドが上。全米2位は伊達じゃないな。マイクばかりが目立ったファーストよりグループとしての groove が感じられた

 

 

 

 

 

 

 

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