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D(以下denny):昨日、森田さんに会って話を聞いたんだ。
K(以下粕谷):あ〜そう。
D:粕谷君は、城北ん時ってうちの兄キや森田さんは…知っていたよねえ?
K:うんうん、知ってた。
D:それは…たんに学校の中で音楽やってそうな奴らってことで?
K:ていうか、森田さんが卒業してからで…カボ*の兄さんの紹介だったよね。森田さんの弟は知っていたね。
D:ノリちゃん。
K:そう。でもお兄さんのほうは高校のときは知らなかった。
D:粕谷君は…中学が池中、池袋中なんだよねえ? 安斎肇とコーザノストラの…。
K:桜井、桜井鉄太郎。
D:そうそう、前にCDもらったやつね。その三人が同級生?
K:そう。
D:池中ってことは生まれが池袋?
K:いや、生まれは中野。育ちは池袋だけどね。
D:それで、高校が城北と。で…ノリちゃんがひとつ上?
K:そうだね。
D:ということは、二年先輩で森田さんがいて、うちの兄キや恒ちゃんは一年後輩と。
K:そうだね。
D:谷口さん*が…。
K:同じ。
D:なるほどなるほど。
K:森田さん、真っ赤なベルボトムに金髪でさ (笑)。
D:信じられないね、いまからは (笑)。でも粕谷君だって髪長かったじゃない。
K:まあね (笑)。
D:粕谷君は、最初のライヴって何を観ました?
K:なんだっけなあ…池袋のドラムで、パワーハウスとゴールデンカップスを観た時かな。
D:ドラムって…いわゆるジャズ喫茶ってやつでしょ? 東口の、いまピザ屋になってるところ、地下だよねえ。オレは年齢的に当時は知らないけど。高校の時?
K:そうだね、ダブルデートしたんだよね (笑)、桜井と。女の子ふたりと4人でさ。…それが最初だったかな、高校一年。まだ日比谷の野音とか行ってなかったしね。
D:なるほど。で、外タレだと誰?
K:ジョン・メイオール。日劇。
D:あれ行ったんだ。
K:その時森園君と知り合ったんだ。
D:森園?
K:高校の同級生が中学ん時に彼と同級で。一緒にメイオールを観に行ったときに森園君も来ていて…まあ紹介というか、ふたりは中学で一緒にバンドやってたわけ、で『これ森園、ギターすげえ上手いンだよ』とか言ってさ。
D:なるほどね。四人囃子は…。
K:まだやってなかったと思うヨ。
D:森園さんてどこの人だっけ?
K:西武新宿線?
D:ああ、鷺宮とか井草とか…。
K:そうそう。
D:粕谷君は…73年の文京公会堂、はっぴい(えんど)のラスト、行ったよねえ?
K:いや、行ってない。
D:あれ、行ってないの? オレ行ってさあ、けっこう友達に会った記憶で、そこには粕谷君もいたと思ってたなあ…。
K:行ってないよ。
D:グランドファンク、行ったよねえ (笑)。
K:行った行った。
D:話を蒸し返しますが (笑)…あの、新聞社会面に出た写真ね、忘れられないねえ。写ってた粕谷君の姿、はっきり覚えてるもんね、いまでも (笑)。
K: (笑)。
D:雨中の後楽園、熱狂する若者…みたいな見出しでさ。あれって、たまたまカメラマンが粕谷君の目の前にいたわけでしょ。しばらく仲間うちで話題だったからなあ…「お〜粕谷君が新聞にでかでかと出てるよ〜」とね。手を叩いてる粕谷君のアップ!
K:あの頃あんまりまだ来なかったからね。
D:外タレ?
K:シカゴとかBSTとか、ブラスロック系で…その後ツェッペリンか。
D:まあね、でもだんだんラッシュになってきたんじゃない? ツェッペリンは?
K:行ったね。
D:オレは、正幸君が録ってきたテープだけ聴かせてもらったけど、ボワンボワンで何だかよく分からなかったね…ん? これ "good times bad times" やってんのか? 程度 (笑)。恒君や正幸君とは…高校ん時から?
K:ま、そうだね。70年、高二ん時だね。
D:そのあとは獨協(大学)へ…。大学の時は音楽サークルとかやってたっけ?
K:いややってないよ。途中休んだりであまり学校行ってなかったし。
D:卒業したの?
K:いや、してない。
D:そうなんだ。じゃあ途中でビクター入ったんだ。平田(国二郎)さんだよね…平田さんにひっぱられて…。フライングドッグ*の立ち上げってことで?
K:いや、もうフライングドッグは立ち上がってた。
D:あ、そうだったの。
K:オレ8月に入ったんだけど、4月に第一弾が出てたかな。
D:ひっぱられたのは…噂どおりの…「夕焼け」のバスで? (笑)
K:まあそうだね (笑)。
《夕焼け祭りコンサート:石川県で開催された野外コンサート。地元バンドのめんたんぴんらを中心に企画されたバンド主体のpeace & loveなコンサート (笑)。東京からはツアーバスが出た》
K:行きのツアーバスで大騒ぎしてさ。
D:粕谷君が酔っての大騒ぎは有名だったからねえ (笑)。そのバカ騒ぎっぷりがウケたんでしょ? 平田さんに。
K:まあそれでビクターへ来いとなったかな。
D:そのバスには誰が乗っていたの?
K:森田さんもいたかな。谷口なんかもいたし。ボブズのメンバーもね。亡くなったエドとか。サイケやってたアケト…とかって人らも。
D:谷口さんてことはオレカンか。オレカンやボブズは出演組?
K:そうだね。三号車でさ…全部で三台バスがでて、三号車にはなんか集まっちゃったんだよね、業界人というか…。もともとバスで石川までミュージシャンらと一緒に、和気あいあいに行きましょうって話だったんだけど、なぜか三号車だけにほとんど集まっちゃったね。
D:オレンジはその時は…あれ? フライングドッグじゃないよね、ショーボート*か…デビューしてた?
K:いや、どうかな、したかしてないか…。
D:微妙な頃だ。ボブズの一枚は…もっと後だよねえ? 粕谷君が入って何年かしてからだもんね。何年だっけ?
K:78とか9年とかだね。ちょっと遅れたかんじだったよね。世の中があの手のサウンドじゃなくなってきた頃だったね。
D:フライングドッグでは最初になにやったの? 勝さん*とかパンタとか?
K:いや、使いっ走りだよね。修業ってか、雑用/小間使いやって仕事覚えろってことで。
D:でもロックな現場にいられて…。
K:そうね、面白かったね。でも人がいなかったから早めにプロモーションにかり出されたりしたね。最初のスタジオでの手伝いはアイドルワイルドサウス*だった。フライングドッグの第三弾だったかな。
D:あ〜アイドルねえ。アイドルってさ、オールマンの二枚目タイトルだっけ? ロフトなんかでボブズの対バンでよく観た記憶なんだけど、オールマンというより… "statesboro blues" やってたけど、マーシャルタッカー(バンド)曲をよくやってたんだよね。"can't you see" や "I'm losing you" をやってて、このバンドってブルージーなところよりもカントリー色濃いほうが好みなんじゃないのかなんて思った記憶あるなあ。
K:う〜ん、両面あったよね。やりたいこととやれることがかならずしも一致しないわけだし。
D:アイドルは何枚でたの?
K:一枚だけ。
D:バンドとしても一枚か。あの…スライドの…松浦氏だっけ? その後ツイストだったよねえ。…それから粕谷君は何を?
K:金沢のバンドで、めんたんぴんの弟バンドみたいな存在の越中屋バンドってのがTバードと名前改めてデビューでさ、それでまあ一本立ちというか…。
D:じゃあ粕谷君がプロデュースなんだ。
K:といっても制作も宣伝もごちゃまぜで…作っては宣伝し作っては宣伝しって感じだった。
D:Tバードはビクターでめんたんぴんはフォノグラムか、他のその手の…いわゆるアメリカンロック系日本バンド (笑)、付き合いはどうだったの?
K:まあライヴで一緒も多かったからねえ、オレは他のバンドも好きだったし…役得だよね、いろいろ知り合えたから。
D:特に仲良かったのは?
K:う〜ん、誰ってことないけど。もっと後になってだけど鈴木慶一さんとか。仲良くしてもらって家へも遊びにいったし。
D:オレ、ブログに載せたんだけど、アーリータイムス(ストリングスバンド)が自主制作盤を作ったときに粕谷君がライナー書いたじゃない。あれはやっぱり勝さんとの付き合い?
K:まあそうだね。頼まれたからああいいよってことで…。ファンだったし。
D:粕谷君とは池袋では一緒に飲んでたっけ? マダムシルク*やがんばるにゃん*?
K:ペーパームーン*とか。にゃんも行ってたよ。
D:にゃんのマヤさん…亡くなったんだよなあ。エイセイ君は知ってたっけ?
K:うん、知ってるねえ。
D:エイセイ君もさ、亡くなったのよ。
K:あ、そうなの…。
D:もうオレらもいつ逝ってもおかしくない感じ、あるよね。黒沢君*が死んだ時にも驚いたけど…。
K:そうだねえ。