|酒冨デザインhomepage|
Smarks
D's Talk session #05 part

Page 1 < > page 2

“All about Pedal Steel Guitar”
Denny's voice
FUZZY

写真はクリックで拡大

Emmons/Sho-Bud: 名前から分かるようにどちらも Buddy Emmons が興したメーカー

●欧米でも信頼と人気を得ている、Japan made のペダルスティールが藤井三雄氏のよって興された「FUZZY」。Fujii ネームから綴った「ファジー」だが、会社を興した当時は今日これほど使われる言葉になるとは思っていなかっただろう。ただし米国では普通単語を登録商標できないために、当初からブランド名として "Excel" を使用している。

今回見せていただいた機種は藤井三雄氏が実際に使用していた機種、それを譲り受けたそう。組み立てのところから見せてもらいたいとあらかじめ谷口さんへお願いしておいた。なにしろ素人なのでイロハのイも分からない…そこから知りたかったので。

 

 

T(谷口):ジミー時田大先生の…え〜と、バンド名は何だっけ…。

D(denny):なんとかプレイボーイズ?

T:あ、そうそう…マウンテンプレイボーイズ! 

D:そこにギターが寺内タケシ? 寺内さんも最初はカントリーですか?

T:もちろん、そう。ベースがいかりや長さん…スティールがこの藤井さんね。ブルーグラスの編成でそこにマンドリンがジャイアント吉田…知っている?

D:ドンキーカルテット (笑)!

 

●話をしながら組み立てを見せてもらう。黒いケースをまず触らせてもらったが、いや〜重い! 25、6キロはあるというから重いはず。この機種はボディが総メタル。ケースに入れたままの別機種、米 Sho-Bud 製はバーズアイ・メイプルのボディでやはり重量は相当らしい。

 

T:バンドはお笑い派と音楽派に別れて…藤井さんは楽器を作るのが夢だったから、仕事として始めたんだね。

 

tanisteel01
●裏返ったままのボディにまず四脚をつける。そこにフロアペダルが連結されたバーを取り付け、ペダルの一つずつとボディ裏の弦とつなぐスチール棒をセッティングしてゆく。

そこまでできたら、全体を反転して設置、ケースから離れるわけです。

 

 

tanisteel02

 

D:イスって…微妙ですよね? マイ・イスをいつでも用意するんですか?

T:これもファジー製なんだよね。ドラムやピアノのイスを使ったこともあるけどね…。

 

tanisteel04

 

●なるほど。エフェクターなど備品入れのジュラルミンケースが、底に四本足が伸びる仕組みになっていた。

 

D:これは…12弦…ですね。

T:そう。ナッシュヴィルのペダルのミュージシャンが使うのはだいたいダブル(ネック・モデル)で、E9thとC6thのチューニングでね。カントリーチューニングのメジャー(長調)なキーはE9なんだよね。C6というのは、ベースはハワイアンなんだけどスウィングやジャズっぽい…。そのダブルをひとつにしてあるワケ、この12弦(シングルネック)は。このままの状態でE9になっていて、ニー・レバー使用するとB6になる。コード音の構成上、ミックスするためにBになる…という仕様。

 

tanisteel06
●この後にこまかく説明していただいたがワタシでは理解仕切れない箇所もあり、完全には把握できなかった。ただ分かったことは、一箇所のポジションをバーで押さえたまま(スライドすることなしに!)、CーF−G7がフロアペダルの踏み込みだけで音が出せるということ。踏み込みはベンド機能だがアップ/ダウンのどちらもあり…。それも短音でなく複音に可能ということ。ペダルだけでも激しく変化させることができてしまうということ。

そのベンド設定はフレキシブルというからかなり自由度の高い楽器なのだった。

 

T:ニー・レバーは、自分の上げたい弦/下げたい弦に連動させる…裏側にロッドが弦の数だけあるわけね、そこにクランクを付けて上げ/下げを決めるわけ。

 

tanisteel07nee
●踏み込みペダルだけでなく膝で操作するニー・レバーでも音を変化させられるというから驚きだ、大変な楽器でありますヨ。

基本姿勢として、左手でスライドバー/右では各指にピックを付けて弾く/左足はペダル/右足はニー・レバー兼ボリューム・ペダル担当…ドラマー同様に両手・両足を使うというから、これは全身楽器。

 

 

tanisteel09
D:ボリューム・ペダルは付けないと音が出ないんですか?

T:いや、ダイレクトにアンプにつないでも全然OKだよ。ただこれの踏み込みはもう長いことやると無意識になるよね。演奏に乗ってきたら自然と強く踏んでるとか (笑)。それとギターのようなつまみはないからソロやバッキングで音量を変える必要はあるかなあ。

D:フレットは…ないんですよね。

T:そうだね、必要ないから。

 

●ギターと違って弦が触れるわけではないのでフレットは不要。弦の下にフレット位置を示すマークがあるだけ。

 

D:エレキギターならば、ピックアップ交換/マシンヘッド交換など差し替えがいくらでも可能ですけど、ペダルスティールの場合はどうなんですか?

T:それは可能だね。いろんなピックアップ、メーカーも様々…人によっていろいろと換えているな。

 

●この機種の、手前のブルーやイエローのつまみは内臓エフェクターとのこと。藤井氏が特別に作った機種なので内臓されているが、普通にはこういう組み込みはないそう…エフェクターはギター同様に外付けでカマす。

 

tanisteel05

 

D:メーカーというとワタシなどは Emmons ぐらしか思い浮かばないんですけど…。

T:Emmons と Sho-Bud が一番有名だよね。

D:ラインナップとしては10弦? 12弦?

tanisteel08
T:どのメーカーでもダブルネックとシングルと…12弦かな、それと10弦のスチューデントモデル…。

D:スチューデント? 廉価版というか、入門機種ですね…それで価格的には…?

T:まあ…20万ぐらいはするかな。いまなら為替益でもう少し安くなっているかも…。

D:谷口さんは最初は、どうしたんですか?

T:大学のクラブにある機種で練習させてもらってて…それと同時に立川で藤井さんのところでアルバイトをしていたね。毎日このステンレスバーを磨いたり…。

その後で自分のペダルスチールを作って…オレンジではそれを使っていたんだけどね。

 

tanisteel10
この部分はどうなっているんですか?

T:これは、ロッドを引っ張る幅で音が決まるからその微調整のため…回して調節するところ。

D:なるほど…。

 

●白いプラスチックの筒状の調節弁

 

練習の始めは…教則本などあるんですか?

T:あることはあるね。私の場合は大学のクラブへ入ったから…先輩から教わって始めたわけ。

 

tanisteel11

 

Page 2へ続く