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D's Talk session #19 with 斉藤哲夫 page_4

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猫:吉田拓郎曲<雪><地下鉄にのって>などがヒット
ユイ:ユイ音楽工房_後藤由多加と吉田拓郎が中心となって設立された音楽事務所
休みの国:=高橋照幸=海賊
ツノヒロ:角田ヒロ_現・つのだ☆ひろ
ダータファブラ ダータファブラ

【ダータファブラ】

【スピナッチ】

1. 甘いワイン 1. 野澤君

Denny's voice :

ビートルズのアレやコレ…S&G、バーズ等々、元と言われても哲夫さん曲がなんら軽視されることはないでしょう。湧き出るものを真の才能とよぶならば、斉藤哲夫に比類する才能はそうはないと信ずる者たちがここまで読み続けてきてくれたと確信します。

『斉藤哲夫、あなたはご自分が思っているより遥かに多くの同時代人の人生に深く影響を与え、幸せな時間を運んでくれます』…こんな言葉がネットのなかにありました。まさにそうだと感じます。こと歌詞に関しても、「若き哲学者」然としたデビュー時のみならずソニー時代も、昨今の不毛な応援ソングにも、まして過去の日本ロックの無意味な語呂合わせ/洋学的詩句でない、奇をてらわず地に足が着いた実直な詞(《さんまやけたか》《吉祥寺》《まさこ》等々)は、心に染み入るものでした。

斉藤さんの、ダァーンと打ち放たれた詞と曲のインパクトにかなわない/負けたと感じたミュージシャンが頼るすべとして理論を手にして音楽の世界にしがみついているンだと思いますヨ。コンプレックスなどと言わずに、そのままで…そのままで頑張ってください。

お体を労りながら今後も活動を続けてください…と、多くの声を代表して記しておきます。

D:ひとつ伺いたかったのが、【僕の古い友達】のクレジットのなかに「田口清」とありますよねえ…それって『猫』* の田口さんですか?

S:そう。

D:田口さんの参加って…なぜですか? ソニーつながり?

S:まあ猫もCBSソニーだったんだけど…当時猫は解散していて、あの人はプロデューサーにならないかって話があったんだよ、ユイ * のなかで。それで…彼とやったんだよね。《さんま焼けたか》、あれも《boxer》っぽくやりたかった。そしたらイントロのところをタグっちゃんが考えてきてくれてね。あと《まさ子》もね。《まさ子》は…《Julia》だな。あの《Julia》のコード展開聴いてぶっ飛んでさ、こんなことができるのか!ってね…そこまで僕は行けなかったけど。

D:田口さんは早く亡くなってしまったんですよね。

S:いくつだっけ?

D:43才ぐらいだったと思います。兄キの飲み屋仲間だったんで、僕も何度かお会いしてたんです。それが突然だったでしょう、みんな「ウソだろう !? 」と言ったのを思い出します。クレジット見て、あの田口さんだよなあと。

S:どういうワケか一緒にやってんですヨ。

D:あ、それと…僕ね、哲夫さんがテレビ神奈川のヤングインパルスへ出た時の音、録り残してるんですよ。

S:ウソ !?、 凄い話だねぇ (笑)。2曲やってんだろ?

D:いや3曲です。《野沢君》〜《夜空のロックンローラー》〜《バイバイグッドバイサラバイ》でした。

S:あれ、1曲俺間違えてんだ…カポ無しのはずが2カポで歌い出しちゃってさ。バックが浮き足立ったらしい (笑)、「哲夫がDでやり出したゾ」って。バンドだよな?

D:そうです。勝さんがエレキでけっこう弾いてるんです。ピアノがキンちゃで。すごくいい演奏で僕は大好きなんですよ。

S:あれはバックはアーリーじゃない、たしか。ベースはアリちゃんかな。

 

D:野沢さんとのお付き合いのこともちょっと伺いたいんですが、どういう経緯ですか?

S:宇都宮にライヴでよく呼ばれてさ…そこで、面白い歌い手がいるから前座に使ってくれないかと言われたのが野沢さ。オーブンチューニングで、すごくオリジナリティがあったからね、俺がURCに紹介したんだ…で、アルバム【白昼夢】だよな、あれになった。

D:あ〜そうですか。いや、僕の大学先輩なんですよ。といっても面識ないンですが…。

S:獨協大か?

D:そうです。で、千代浦先生という経済(学部)のゼミの先輩でもあるんです。歳が違うンで知らなかったんですが、ある時先生が「君らの先輩で野沢という男がいて、なんだかフォークのレコードを出してるらしいんだな…」と。あれ!それは野沢享司? と思ったらそうでした。

 

 

D:そろそろにしますね…。でも、勝さんから斉藤さんは倒れてると聞いたからお話させてもらうのもどうかなあと思ったんですが、思いの外お元気ですね。

S:いやこうして話してると興奮しちゃうからね。

D:では体調はまだまだ…?

S:まだまだだねえ。疲れやすくなった。

D:そうですか、分かりました。で、このトークもサイトにアップさせてもらいますけど、そこではギターの永井さん もお話させてもらって載せてるんですよ。永井さんとは海賊のレコードで一緒されたりしたでしょう?

S:ああそうそう。

D:休みの国…好きだったんですよ。75年に日仏会館でのライヴで、永井さんが一緒にやってるんですがそれも僕は観に行って全曲テープに録り残してます。

S:へぇ〜他は誰がやってるの? ツノヒロ *

D:はい、ドラムはヒロさんでベースはジャックスの谷野さん、ピアノはキンちゃかな?

S:あいつのさ、《第五氷河期》と《追放の歌》を俺、やってるんだ。あと《旅するおばさん》もやりたいんだよなあ。いいよね。

D:あの人も独特のメロディメイカーですよね。 

S:この前気づいたんだけど、中島らもの単行本に『休みの国』ってのがあったんだ。それをネットで、娘に買ってもらったらさ…内容は単に「この日はなんの日」という日付についての雑記だったんだけど、でもタイトルは照幸の休みの国からだよな…らもも好きだったんだろうな。休みの国は好きだなあ。元気なら一枚作りたかった。ニルソンがさ、やってるだろ? 誰かを歌うって盤…。

D:ええ。【Nilsson sings Newman】、ランディ・ニューマンですね。ということは〝斉藤さん・シングズ・休みの国〟?

S:そうそう。初期の曲な。《精神病院の中で》とかさ…。

 

 

130503 赤羽・梅の木